Optical Phase Conjugation
Optical Phase Conjugation
ある光が位相共役鏡(位相共役光発生装置)に入射すると、波面の形は入射光と同じで、進行方向だけ逆に進む特殊な光が発せられます。この光を位相共役光と呼び、下図にあるように普通の鏡での反射光とは異なる振る舞いを見せます。これは位相共役鏡が普通の鏡と異なり、光の”反射”ではなく、”回折”現象を用いて光を跳ね返している事によります。そのため、普通の鏡では入射角と反射角が等しくなるように反射されるのに対し、位相共役鏡は入射光のレプリカ(←位相共役光のこと)を作って光が来た方向へ送り返し、 光は元の入射光の光路(光が通った道)を正確に逆進し、自動的に入射光が発生した場所まで戻っていきます。 途中で光波面を乱す位相物体(大気の揺らぎ。例:陽炎)を2回通過することで歪みが打ち消され、元のきれいな波面が再生できるのもユニークな特徴です。
一般的な位相共役光発生方法は”四光波混合”とよばれ、位相共役鏡として使われる非線形光学媒質中に3方向から光を入れ、4つ目の位相共役光を取り出す方法です。具体的には、ターゲットからの光である物体光と、別に用意した同波長の光(参照光)を媒質中で干渉させると、光強度に依存した屈折率や透過率変化が生じます。これが回折格子の役割をし、参照光と逆向きに入射する読み出し光を回折して位相共役光を発生させます。原理はホログラムの記録と再生をリアルタイムで行っているものとも理解できます。
Phase Conjugation