
はじめに
このページは,東京大学 航空宇宙工学科 『航空宇宙推進学実験』のページです. 受講する学生の方は「事前学習」の内容を学習してから学生実験に参加してください. |
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実験日は各班1日で,スケジュールは以下の通りです.
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実験後各班でレポートを1通作成し,メールで関根([at]を@に置換してください)まで提出してください.
締め切りは実験日から2週間後の木曜日とします.
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実験日にどうしても都合がつかない場合には直接ご連絡ください.
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マスクの着用をお願いします.
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2021年度スケジュール
・各回13時スタートです.

電気推進の概要
ホールスラスタの作動原理
ホールスラスタは円環状の放電チャネルを持ち,放電チャネルには中心軸上と外周上に配置されたコイルによって,半径方向の磁場\(B\)が印加されています. さらに,放電チャネルの奥にある陽極と,推進機の下流外側に配置された陰極によって,軸方向の電場\(E\)がかけられています. このように,電場と磁場が直交する\(E \times B\)の構造がホールスラスタの特徴です. 陰極は電子源の役割を兼ねており,電子が陰極から放電チャネルへと供給されます. 電子は電場によって陽極へ向かって加速しようとするものの,磁場によってトラップされ,さらに\(E \times B\)ドリフトと呼ばれる効果によって周方向へと動きます. 電場と磁場の両方に直交する方向へ起電力が生じる現象をホール効果と呼び,この推進機がホールスラスタと呼ばれるゆえんとなっています. 推進剤ガスは放電チャネル奥の陽極近傍から供給されます. 推進剤ガスとしては多くの場合キセノンガスが用いられます. 推進剤分子が放電チャネル出口付近に到達すると,ここで特に強くトラップされている高エネルギーの電子が推進剤分子に衝突し,分子中の電子を叩き出す衝突電離が起こります. 電子の取れた分子は陽イオンとなり,軸方向に印加された電場によって加速・排出されます. 推進機はこのイオンを加速するときの力の反作用によって,推進力を得ます. |
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ホールスラスタの作動
詳細は実験の際に説明します. |
推力計測・各種電流計測
詳細は実験の際に説明します. |
課題1:プラズマ特性の把握 |
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実験で取得したデータを基に,ホールスラスタ内で生成されたプラズマの特性を把握しましょう. プラズマは電気抵抗(\(R\))を持った導電体と見做すことができます.ホールスラスタのI-V特性から,プラズマの電気抵抗を見積もることができます.
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課題2:推進機特性の整理 |
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電気推進機の性能を表す指標で代表的なものは,投入電力\(P\),推力\(F\),比推力\(I_\mathrm{sp}\),推進効率\(\eta\)です.
(*ここでの効率はアノードのみに着目した値であるため,正確にはアノード効率(anode efficiency)\(\eta_\mathrm{a}\)と呼ばれます.) |
課題3:他の推進機との比較 |
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ホールスラスタ以外にも,様々な種類の電気推進機が研究されており,それぞれの推進機に特徴があります. (参考図書:「電気推進ロケット入門」東京大学出版会) ホールスラスタ以外の電気推進機一つを選んで, ・原理,性能,特徴 ・どのような宇宙ミッションに適しているか を1ページ以内で述べて下さい. |