集光したレーザーにより生成されたプラズマ・爆風波が推進機に推力を発生させる機構を解明するため、実験室でレーザープラズマを生成し、シャドウグラフ法やシュリーレン法などの方法で可視化・解析を行っている。本研究班ではプラズマの生成から衝撃波の伝播にいたる現象に特に注目し、重点的に研究している。使用している実験装置についてはこちら。
下図は空気中の一点に強力なレーザーを集光した時に発生するプラズマと衝撃波の様子である。密度変化を可視化できるシャドウグラフ法により撮影した。
本研究班では、レーザーエネルギーが推進機の推力に変換される過程・効率について、低圧・超音速雰囲気下での挙動も考慮した研究を行っている。
下図は、レーザー推進機のエネルギー変換・推力生成サイクルの模式図である。
レーザーによって発生した爆轟波はレーザー支持デトネーション(LSD)と呼ばれ,その進展速度がレーザー推進機の推力見積もりにとっては非常に重要である。
様々なガス種におけるLSDの進展速度を高速度カメラを用いて計測している。計測の結果,ガス種による依存性があることが明らかとなり,これは進展速度が流体力学だけでなく,プラズマの放電の物理に依存することを意味している。
レーザープラズマ状態の電子密度を測定し、LSDの構造について研究している。
(下図は上記と同じ現象をマッハツェンダー法で撮影した写真)
高いレーザー強度ではマッハツェンダーによる撮影が困難なため,プラズマの発光分光による電子数密度の測定も行っている。