プロフィール Profile

≪ 所属 ≫
東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻

≪ 略歴 ≫
昭和62年3月 東京大学工学部航空宇宙工学科卒
平成4年4月 名古屋大学 助手
平成10年4月 東京大学大学院 助教授
平成21年3月 東京大学大学院 教授

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近 況

研究・教育目標

ロケット推進の講義では、液体ロケットの最高性能を引き出す燃料混合比やエンジンサイクルの選定、衛星推進系の設計方法などを教えています。

しかし同時に、化学ロケットの限界(軌道に運ぶことのできる荷物の少なさ)を示し、現在のロケット技術の延長ではスペースコロニーなどの大型宇宙構造物建設や銀河旅行が技術的に難しことも明らかにしています。

人類の本格的な宇宙進出、真の宇宙時代の到来には宇宙輸送システムの技術革新が不可欠です。

そして、それを担う若い学生たちの創造力(新分野を拓く力)を育むことが、本研究室の研究・教育目標です。熱機関や燃焼工学に止まらず、”電磁・光エネルギー”、”プラズマ加速”、”ワイヤレスパワー”など、様々な技術・分野を融合して、オリジナルな技術を生み出す試みを通じ、学融合に挑戦できる素養、そして人や技術のつながりを作ります。

主要研究テーマ

(A)ビーミング推進

従来の化学ロケットの代替えとして、電磁ビームで遠隔にエネルギーを供給する革新的な推進システムであるレーザー推進およびマイクロ波ロケットを提案しています。レーザー推進はレーザー支持デトネーション(光が衝撃波を駆動する物理)の実験、解析、エアーブリージング機構のCFD解析、および打ち上げ軌道・システムの成立性・経済性スタディの三方面から研究を行っています。マイクロ波ロケットはQST那珂研究所と共同で打ち上げ実験を行い30Nの推力を実現しています。MW級ジャイロトロンを有する筑波大プラズマ研究センター、福井大遠赤センターなどとも協力しつつ、本郷キャンパスに高出力ジャイロトロンが導入されました。将来は、この原理を利用した未来の乗り物ライトフライト(サイエンスチャンネル:一般向けアニメーション)の実現も目指します。

(B)電気推進

次期技術試験衛星(ETS9)にも搭載されるエンジンホールスラスタの研究を世界に先駆けて行ってきました。現在はオールジャパン体制で、25kWの大出力の新型アノードレイヤースラスタRAIJINを開発しています。安定で長寿命な運転を実現するための様々なオリジナル特許・工夫を採用し、推進機の設計、性能試験を繰り返しています。またFull-PIC&DSMC法により、推進機内のプラズマの挙動をほぼ再現することができるようになり、今後は設計支援ツールとして利用します。

(C)月面でのレーザーを用いた金属還元とレーザープラズマ風洞

月面は酸化Alや酸化Mgを主成分とするレゴリスで覆われています。これらを還元剤(石炭)を用いずに高品質なレーザーに変換した太陽エネルギーだけで還元し、建築資材としてのAlやMgと人間活動に必須な酸素をその場で得る月資源利用システムの研究をしています。また人間が地球に帰還する際の再突入環境を非常にきれいな気流で再現できるレーザープラズマ風洞を開発し、高感度の酸素乖離度の測定や再突入体熱防御材の触媒性の研究を行っています。

(D)CFD解析

高エンタルピー流・極超音速流・プラズマ流の解析コードを開発しています。電磁波エネルギー吸収と流体のカップリング計算も行っており、現在は、「ミリ波放電フィラメント構造の再現」や「電磁波デトネーション理論の構築」を目指してCFDを利用しています。

受験希望の皆さんへ

工学系研究科航空宇宙工学専攻の学生を受け入れています。
出身大学、出身学部を問わず、やる気のあるメンバーが加わって欲しいと思っています。
受験希望者はメールをください。

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