94GHzミリ波による無線エネルギー伝送

直進性の高いミリ波を利用し、小型飛翔体などへの給電を視野に受電モジュールであるレクテナの研究開発を行っています。

ミリ波は先行研究のマイクロ波よりも直進性が高いため,モジュールの小型軽量化を実現し,ドローンなどの飛翔体に最適な周波数とされています.一方で主に線路損失により,受けた電波を直流へ変換するレクテナと呼ばれる素子の効率は低くなる傾向があります.この効率の伸びしろを見込み,高いレクテナ変換効率を達成すべく研究を進めています.

本研究班の整流回路は94GHzで現在世界最高の効率(46%)を達成しています.


位相共役光を用いた光エネルギー伝送

位相共役光という特殊な光を用いて宇宙デブリ(宇宙ゴミ)除去や、小型飛行機への光エネルギー伝送をめざしています。

位相共役光は, 1) 自動標的化、2) 自動集光、3) 光増幅作用があり、複雑な計算や機械制御なしで遠隔ターゲットに強い光を集光させることができます。これを利用し、ソーラーパネルを搭載した小型飛行機に地上から位相共役光を当て、光が当たる限り永遠に飛び続ける小型飛行機を作ったり、宇宙デブリに強い位相共役光を集光させてアブレーションを起こし、プラズマジェットの反動で軌道離脱させるシステムを研究しています。


マイクロ波による小型飛行体へのエネルギー伝送

小型飛行機を追尾しながらマイクロ波を送り、その電力で飛行機のモーターを駆動させるシステムを研究開発しています。

送信部、受信部、追尾部の回路やアンテナの設計、そしてこれら3つのサブシステムの統合が研究対象です。


強結合共鳴を用いた中距離エネルギー伝送

携帯電話やノートパソコンの充電が面倒だと思ったことはありませんか?電子機器の電源コードを煩わしいと思ったことはありませんか?

電気機器を縛っていたケーブルが無線通信技術によって次々と不要になっていく中で、電源コードや大きな電池は携帯端末に残る最後の鎖といわれています。その鎖を断ち切ること、つまりワイヤレスで高い電力を伝送する技術こそが私達の研究テーマです。正式には「強結合共鳴を用いた無線エネルギー伝送」といいます。近年、Suicaなどのように、非接触給電は様々な領域で実用化されています。しかし伝送距離が1cm以下と非常に短く、密着させないと効率も悪いのが現状です。そこでこの“強結合共鳴”を用いれば、従来の技術では考えられなかった数m離れた位置への高効率のエネルギー伝送が可能になることが報告されています。

この技術をもちいて車内センサーや屋内の携帯電話・ノートパソコン等複数の携帯機器に、電源コードを介さず電力を供給することが主な応用対象です。


English

ニュース

2018/03/31
6月開催のWPTC2018にプレゼンターとして参加決定!
2018/03/05
第37回宇宙エネルギーシンポジウムにて口頭発表
2017/11/28-29
第3回宇宙太陽発電シンポジウムにて口頭発表
2017/07/17-22
10th International Workshop Strong Microwaves and Terahertz Waves: Sources and Applicationsにてポスター掲示
2017/06/17-18
WPT合宿開催!
2017/05/09-11
WPTC2017にてポスター発表
2017/03/22-25
電子情報通信学会総合大会にて口頭発表
2016/08/01
東京都立産業技術研究センターと共同研究を開始
2016/04/01
筑波大学次世代飛行システム研究室と共同研究を開始
2013/07/26-27
ISAS/JAXA特別公開太陽発電衛星(SPS)ブースにてマイクロ波ワイヤレス給電展示
2013/02
小紫教授が執筆に参加した「ワイヤレス給電技術―電磁誘導・共鳴送電からマイクロ波送電まで」が出版されました
2010/10/29-30
柏キャンパス一般公開にて研究室公開
 マイクロ波ワイヤレス給電デモ
2010/03/16
IEEE-ICIT2010にて口頭発表
2010/01/22
電気学会産業応用部門大会優秀論文発表賞受賞
『高Q値アンテナによる強結合共鳴を用いた無線電力伝送』
2009/11/12
ボーイング社が研究室見学(本郷)
2007/08/02-03
第10回宇宙太陽発電システム(SPS)シンポジウムを開催(柏)

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