本研究室で開発した推進系を実用したPROCYONが,平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)を受賞いたしました.表彰は深宇宙軌道での超小型探査機の基本機能の実証に世界で初めて成功した成果によるものです.表彰の規定によりチームとしての応募はできず,3名の代表者(船瀬,小泉,富木)のみとなっていますが,本成果はプロジェクトに貢献して下さった方々全員の成果であることは間違いありません.特に本研究室でPROCYONに関わった学生達は,自分たちの成果と認識して胸を張ってもらえればと思います.
PROCYONの推進系はイオンスラスタとコールドガススラスタからなる小型統合推進系であり,I-COUPS(Ion thruster and COld-gas thrutster Unified Propulsion System)と名付けられました.イオンスラスタは研究室のイオンスラスタ班が中心となり,コールドガススラスタは(専門の研究班はないですが)各班総出で担当し開発を実施しました.さらに,運用に関しては,研究室総力戦で推進系の運用を(相模原で深夜に)実施しました.推進系の開発におけるアレコレ(苦難の道)は,プラズマ核融合学会誌 2016年92巻7号にプロジェクトレビューとして執筆しました.特に研究室でI-COUPSに関わった方は,懐かしい思い出でもあるので,時間があれば是非読んで下さい.
http://www.jspf.or.jp/journal/project.html

左:冨木淳史助教(JAXA/ISAS;通信系担当),中央:船瀬龍准教授(東京大学航空宇宙工学専攻;プロマネ,代表),右:小泉宏之(推進系担当)