What is a Pulsed Plasma Thruster?
パルス型プラズマスラスタ(PPT)は、人工衛星搭載用の電気推進の一種です。
化学推進とは違い、電気推進は電気的な力を利用して推力を得ます。
その推進方法からPPTは電磁加速型であり、定常作動MPDスラスタ等と同じグループにカテゴライズされます。
そのため、PPTはPulsed MPD Thrusterと呼称されることもあります。
同軸型のPPTは主に電熱加速によって推力を得るため、Pulsed Electrothermal Thruster (PET)と呼ばれたりします。
PPTの研究は1950年代や1960年代にまでさかのぼることができ、1964年にソ連の人工衛星Zond-2に初めて搭載されました。
これは同時に電気推進が初めて実用化された例でもあります。それからPPTの研究は世界中で行われ、日本を含むいくつかの国で実用化されています。
How does it work?
PPTは主に四つの部分から成り立っています。すなわち、エネルギーを蓄えるキャパシタ、放電を発生させるために高電圧を印加する電極、
推進剤、そしてイグナイタです。推進剤の種類からPPTはさらに細かく分類することができます。
♦ APPT (Ablative PPT)またはSPPT (Solid Propellant PPT)、推進剤にPTFE等の固体推進剤を用いる場合。
♦ LPPT (Liquid Propellant PPT)、推進剤に水やアルコールなどの液体を用いる場合。
♦ GPPT (Gaseous Propellant PPT)、推進剤にアルゴンや窒素などの気体を用いる場合。
いずれの方式でも推進剤は電極間に供給されます。絶縁体のPTFEの場合は直接電極間に設置してありますが、液体などの場合噴射器を用いて供給されます。
PPTの作動のためにはあらかじめキャパシタに放電エネルギー(数〜数十J)を蓄えておきます。
イグナイタが点火され、微小放電から電子が放出し、電極間に推進剤を伝って放電を発生させます。
この放電はやがて放電回路内を振動する主放電となり、電極間には円弧状の放電経路が生成されます。
主放電による大電流が推進剤を昇華させ、一部をイオン化しプラズマの状態にします。
大電流により放電回路内には強い磁場が誘起され、電流と磁場の相互作用であるローレンツ力により推進剤を押し出し、推力を得ます。
キャパシタに蓄えられたエネルギーは有限のため、放電は10-20 μs程度で終了し、推力も発生しなくなります。
この様にPPTはパルス作動を行い、パルスあたりの運動量変化量はインパルスビットと呼ばれます。
This is the pulsed operation, and the total thrust ability over the discharge time is called impulse bit.
パルス型プラズマスラスタの放電の様子
Current interests and further information
私たちの研究班ではSPPTとLPPTの両方の研究を行っています。
そして実用化を目的として、より効率的に推進剤を利用する方法を研究しています。
さらに私たちは放電やプラズマの物理現象を理解するためのプラズマ診断も行っています。
より詳しい内容を知りたい場合は、researchセクションやpublicationsセクションをご覧になってください。
また、興味のある方はInternational PPT&iMPD Working Groupのページも訪問してください。
Research Facilities
Hongo
♦ Vacuum chamber
♦ Liquid propellant PPT
Kashiwa
♦ Vacuum chamber
♦ Solid propellant PPT (ADD SIMP-LEX)